株式会社バカン河野剛進

トイレが利用されているか否か、切羽詰まった状況の人からすれば重要な問題であり、一方で一部のトイレだけが混み、他のトイレはガラガラというイビツな状況も見られます。それはレストランなどにも言えるほか、新型コロナウイルスで密を避けたい人にも混雑状況を知ることができれば便利です。そんな混雑状況をネット上でチェックできるサービス、バカンの提供がスタート。それを手掛けたのが株式会社バカンの代表取締役社長河野剛進さんです。

堂々としたキャリア

東京工業大学の大学院を修了している河野剛進さんは金融工学などを勉強しており、卒業後は三菱総合研究所に入り、研究員として働きます。その後複数の会社で事業戦略、新規事業の立ち上げ、経営企画室長、合弁会社の立ち上げなどを行います。ただ元々起業をしたかったことやアメリカにおけるシリコンバレー的なものを日本でも作りたいという思い、後程紹介するあるきっかけをもとに、これならば覚悟をもってできると判断し、株式会社バカンを立ち上げます。

きっかけは子供との時間

株式会社バカン起業のきっかけになったのは、子供との時間を過ごしている中での出来事です。商業施設に買い物に行った際、子供がトイレに行きたいと言い出し、色々とトイレを探していきます。どこを探しても混んでおり、そのうちに子供が泣きだして楽しい時間が台無しに。しかも、こうした出来事は何回もあり、外出そのものが嫌になったこともあったのだとか。授乳室などもいかなければ空いているかどうかわからない、これは改善の余地があると考え、起業に至ります。

トイレの待ち時間が激減した理由

株式会社バカンが展開するサービスでとても画期的なのがAirKnockというサービスです。これはトイレに入っている人の滞在時間を減らすためのもので、滞在時間や混雑状況を知ることができます。これをオフィスで導入したところ、トイレの利用時間がなんと359時間も削減されたとのこと。トイレ休憩の時間がいかに無駄で削減できるポイントなのかがわかります。当然待ち時間も減り、より回転率が高まるというわけです。またトイレの混雑状況を可視化したことで、混んでいると思われていた店にも空いている時期があり、そこを狙っていけばトイレはもちろん、快適に買い物ができると考えた人も多く、思わぬ効果につながっています。ありそうでなかったサービスで売り上げも上昇中です。