ブックオフコーポレーション株式会社 元社長 橋本真由美「41歳で始めたパートから社長に」

ブックオフコーポレーション株式会社 元社長 橋本真由美

「41歳で始めたパートから社長に」

中古本・中古家電販売のチェーン「BOOK OFF」を展開するブックオフコーポレーション株式会社で、社長になった女性が橋本真由美氏です。
橋本氏は福井県大野市出身です。一宮女子短期大学卒業後、栄養士として病院などで勤務していました。結婚を機にブックオフ1号店のある神奈川県相模原市へ転居し、その後18年間は専業主婦として過ごしていました。
ブックオフ1号店のオープニングスタッフ募集広告をみて家計の足しにと応募し、1990年4月、パート採用されました。1号店のオープン準備作業中に名前の無い「母」から「個人」として評価される感激とともに、人をまとめることや自分の号令で周りの人がどんどん動いて店が良くなっていくことを実感し、仕事へのやりがいを強く感じるようになりました。

目の前のことを一生懸命やる

パート採用から8か月後の1991年1月に、身分はパートのまま新規オープンする2号店の店長に就任しました。当初は好調でしたが、就労時間が決まっているパート社員に限界を感じ、目の前のことを一生懸命やるために正社員化を希望し同年8月に正社員となりました。しかし、一人の頑張りには限界があり年末には閉店を考えるほど売上が落ちていました。その後店舗スタッフの頑張りもあり売り上げを回復し閉店は回避できました。
2号店の不振の原因が、中古業の基本である買い取り(=仕入れ)をしっかりと行い、売り場に即座に出すという基本を怠っていたことに気づき、その経験と知恵が、以後のブックオフの成長につながりました。

取締役から社長へ

社員になってからも、一人何役も掛け持ちで、人手が足りない店舗に社員を柔軟に配置するシステムを作るなど目の前にある問題に対して、取り組みを続けました。
橋本氏は採用4年後の1994年には取締役となりましたが、現場を重視し「現場の働きやすさは会社の業績に直結」するという信念を強くもち取締役会でも現場の働きやすさを向上させることを主張しました。
そして、目の前のことを一生懸命やることを続け、2006年6月に社長に就任しました。

一概な人

橋本氏は自分を「一概(いちがい)な人」だと思っているそうです。「一概」とは、「一生懸命」「夢中」「がんこ」といったイメージで何か一つこれと決めたらもうまっすぐ突き進むことで、故郷の福井県で使うそうです。
パートから一部上場会社の社長へ駆け抜けた橋本氏そのものを表すことばです。