~マネックスグループ代表取締役社長 松本大 日本有数のネット証券会社 マネックス証券を立ち上げた立役者~

松本大
経歴:1963年12月19日埼玉県浦和市出身。開成中学校・高等学校を経て、東京大学法学部卒業。ソロモン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスに勤務。債券トレード、デリバティブ取引などに従事したのち、マネックス証券を設立。マネックスの代表取締役や、マネックス・ビーンズ・ホールディングスおよびマネックス・ビーンズ証券の社長などを務めた。現在は、持ち株会社であるマネックスグループとその傘下のマネックス証券にて双方の代表取締役を務めており、社長およびCEOを兼任する。また、東京証券取引所グループとその子会社の東京証券取引所の取締役も兼任している。なお、新生銀行やオリックス証券、ユーザーベースの取締役なども務めている。

創業経緯

松本氏は外資系大手証券会社ゴールドマン・サックスで共同経営者を務めていた。2000年を迎える直前、ITバブル全盛期。当時電話回線が主流であったが、インターネットが一般家庭に普及し始めていた。ヤフーオークションなどの通販系サイトも立ち上がり、資本がインターネットを媒介して動き始めていた。この事実を敏感にとらえた松本氏は、ゴールドマン・サックス社にインターネットを用いた証券取引サービスの立ち上げについて社内で提案するが、役員たちは松本氏の提案に口をそろえて”No”を突き付ける。この時、ゴールドマン・サックスは上場前。そのまま共同経営者でいれば付与されているストックオプションが大金に変わるタイミングであった。しかし、インターネット証券というビジネスモデルはそれ以上の富とインパクトを生むと踏んだ松本氏はゴールドマン・サックスを去る決意をして、ソニーとの共同出資でマネックス証券を立ち上げる。
その後、マネックス証券は日興コーディアルグループ子会社の日興ビーンズ証券株式会社と経営統合を行う。現在ではマネックスグループとして、オリックス証券を完全子会社化。また2014年には静岡銀行と資本業務提携契約を締結しており、資本関係をより一層強固にしている。また、2018年には暗号資産取引所であるコインチェック株式会社を完全子会社化しており、暗号資産領域も手中に収めている。

エピローグ

身分と富が約束しているとき、人はそれらを放棄する決断ができるだろうか。そんな非常に難しい決断を松本氏はやって見せた。松本氏のように時代の流れを感じ取り、アーリーアダプターとして参入することが成功の秘訣なのかもしれない。