株式会社カンム代表取締役社長、八巻渉がバンドルカードで可能にしたこと

八巻渉が株式会社カンムを創業するまで

八巻渉は1985年に生まれました。2009年に慶應義塾大学理工学部情報工学科を卒業したのち、同大学と産学連携プロジェクトを進めていたStudio Ousiaに、データ解析のエンジニアとして入社。同社では約3年間、エンジニアとしてのキャリアを積み、起業を志して退職しました。その後、2011年に株式会社カンムを設立。「できるだけ多くの人がかかわる領域を変えることが、社会を変えていく近道である」という信念をもとに、2016年にはVisaプリペイドカードである「バンドルカード」を発表し、2019年までの3年間で驚異の3592.16%という売上高成長率を記録しました。

バンドルカードを発行するまでの5年間の道のりとは

2011年にカンムを設立してから、バンドルカードを発表するまでの5年間の道のりは壮絶なものでした。まず創業して八巻渉が目を付けたのが、オンラインの四季報。八巻渉はデータ解析との相性の良さと、多くの人が関わるという点から金融と融合したサービスの提供を目指していましたが、オンライン四季報は証券会社とうまく接点が取れず、失敗。次に目を付けたのが、当時アメリカで流行していたカードリンクドオファーという、クレジット利用者向けのキャッシュバックなどの特典サービス事業でした。しかし従業員は八巻渉1人というカンムにカードの個人情報を渡す企業はおらず、これも失敗に終わります。そこで八巻渉が思いついたのが「自社でカードを発行する」ということ。自社で発行すればデータ収集も自由かつ即座にできます。実はこれもアメリカで流行していた「SIMPLE」というプリペイドカードを参考にしていて、八巻渉はターゲット層をクレジットカードの作れない若者に絞り、日本向けのサービスに改良してバンドルカードを発表したのです。

八巻渉が舵を取るカンムのこれから

八巻渉が常に目指しているのが「世の中のお金の流れを円滑にする」ということ。バンドルカードは通販を頻繁に利用するが、クレジットカードを使えないという点で決済に不便さを感じていたユーザーを対象に開発したため、決済時の利便性が向上し、結果としてお金の流れが円滑になりました。株式会社カンムでは、若者向けに金融投資のサービスや今までにはない与信のクレジットカードの開発を進めるなど、金融サービスの障壁を取り払った新しいサービスを積極的に考案していく方針です。