柴垣敏久社長 株式会社AtOff、Clubhouseは日本で成功しないと考える理由

2021年に入り、Clubhouseという音声タイプのSNSが世界中で話題を呼び、日本でも有名人を中心に利用者が急増しています。このClubhouseに強い関心を持つのが、Webマーケティングを主な業務とする株式会社AtOff(アットオフ)代表取締役社長の柴垣敏久さんです。柴垣敏久さん自身もClubhouseを利用する1人ですが、Clubhouseの可能性を真剣に考えており、意外と難しいのではないかと躍進を疑問視しています。

Clubhouse本当に人気なのか

そもそもClubhouseはアメリカで立ち上がった音声タイプのSNSであり、原則実名登録、会話を録音することができず、録音を感知するため、オフレコで話ができるのが特徴的です。しかも、Clubhouseは招待制のため、1人の利用者に与えられる2人分の招待枠をゲットしないことには利用することができません。このため、招待されたというステータスも大きく働き、様々な芸能人やアスリートが利用するようになっています。

柴垣敏久さんも知り合いから招待を受け、Clubhouseを始めました。しかし、アメリカで本当に人気なのかと柴垣敏久さんは疑問に思い、調べていくと、アメリカですらClubhouseの認知度はさほど高くないことを知ります。実際の使われ方としてはミーティング、講演会のようなものが多く、1人の主催者が大勢の人たちに問いかけ、質問があればその人だけミュートが外され質問ができるという使われ方が行われています。

Clubhouseのその仕組み自体は十分素晴らしいものであると柴垣敏久さんは考えますが、実際に日本人が活用できるかどうか、かなり難しいのではないかと感じています。そのように感じる理由として、YouTubeにおいて動画が短いものに人気が集中していることがその一端であると主張します。再生時間が長い動画にも優良なコンテンツは数多くありますが、結局のところ、最後まで見てくれないのが実情です。まして、Clubhouseは音声しか流れず、友達同士の会話を聞いているのが精一杯です。しかも、見ず知らずの人が聞きに来る可能性だってあり、その時に歓迎できる人がClubhouseを使う意義があり、拒否する人はClubhouseを利用する意味はないと断言します。

日本にも音声メディアは存在する

Clubhouseに注目が集まる一方、日本にも音声タイプのSNSやメディアが存在します。最近人気を上げているのがStandfmです。Standfmは、誰もが音声メディアを発信でき、自分で編集もでき、アイコンなども作れます。将来的には収益化を目指すこともできるため、人気を集めています。他にはツイキャスもあります。ツイキャスはTwitterのアカウントがあればすぐにアカウントを作ることができ、すぐに配信が行えます。コラボ機能があり、様々な人と配信を行うことができます。こうした機能はStandfmにもついている一方、Clubhouseでも同様のことが行えます。

つまり、Clubhouseに参加しなくても日本発のサービスで代用は可能であり、しかもサポート面で安心もできます。Clubhouseでアカウントを作り、退会をする場合には英文で退会の旨を伝えなければなりません。日本人からすれば非常に高いハードルであり、難しさがあります。このような状況であるからこそ、Clubhouseの目新しさは確かにあるものの、StandfmやツイキャスをどけてまでClubhouseを使うかどうかとなれば未知数であり、継続性に疑問を感じる柴垣敏久さんです。

日本人にSNSは向いていない?

柴垣敏久さんはWebマーケティングの会社を立ち上げていますが、基本的に日本人はSNSに向いていないのではないかと考えています。1つの理由として、同じ意見を述べる人物を探す傾向にあり、違う意見を述べる人を敵と判断しやすい日本人の性質が関係します。SNSのいいところは多彩な意見があり、多様性を感じさせるのがいい点ですが、日本人に多様性の素晴らしさを実感させるのはまだまだ時間がかかります。権力者が、カラスの色は白と言えば白と言わざるを得ないのが日本人の気質です。自分だってカラスの色は黒だと言いたい、それなのに自由に発言している人間がむかつくと考えるようになるものです。ゆえに、ぶっ飛んだ発言や意見が出てきても批判的な意見ばかりが出てくるのです。

Clubhouseでもいずれ問題は生じ、日本人だからこそのトラブルもいずれ起きるでしょう。柴垣敏久さんはそのようなトラブルが起きても不思議ではないと考えています。Clubhouseは日本人には向いておらず、いずれ終わりを迎える、そう断言してもいいと自信を持っている柴垣敏久さんでした。