南 壮一郎
経歴:1976年大阪府生まれ、静岡県出身。幼少期から父親の仕事の都合でカナダのトロントで過ごす。中学生の時に日本に帰国し、中高はサッカーに打ち込む。高校卒業後、学校の反対を押し切り米タフツ大学に進学。留学時に渡された資金をもとに株式を運用したり、サッカー部などで活躍。1998年長野の冬季五輪では通訳を経験。1999年、数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業。モルガン・スタンレー証券に入社。M&Aアドバイザリー業務などを経験。2004年9月楽天野球団創業に参画。2007年に退社、一年のブランク期間を経てから2009年4月に株式会社ビズリーチを創業。その後、事業部を法人化させHD化を果たし、ビジョナルHDのCEOに就任。
創業経緯
南氏はかねてよりスポーツビジネスに携わりたいと考えていた。大学在学中にジャック坂崎の著書に感銘を受け、本人と対談する機会を得た際に「スポーツビジネスに携わる前にビジネスの土台を築くように指南され、金融業界への就職を志す。モルガンスタンレー入社後に2002年の日韓ワールドカップで日本代表初勝利に感化され、同社を退職。株式会社S-1スポーツを起業し、スポーツ施設管理や通訳業をこなす。その後、カルチュア・コンビニエンス・クラブの仕事を手伝った後、楽天の三木谷氏と出会い、南氏は念願の球団設立に携わる。楽天イーグルスの黒字化成功に貢献したのち、自身の役目を果たしたという事で次なるステップを踏むために転職活動にいそしむが、数々のヘッドハンターと自身の意見が食い違う事に違和感を感じ、企業の求人と求職者のミスマッチが生じている事を実感。これがビズリーチの創業のきっかけとなり、企業が直接人材をサーチできる人材データベースであるビズリーチを創業。管理職やグローバル人材などの専門性の高い求人を扱う事で知られる。現在ではHRテック領域で大きなプレゼンスを発揮する同社。ビズリーチだけではなくHRMOSというATSサービスやセキュリティ領域、物流領域にも参入しており、2020年にはビジョナルとしてHD体制をとっている。
エピローグ
南氏の経歴を調べるまで人材系企業出身者かと思っていたが、そうではなかった。だからこそ、既存の枠組みを打破したサービスがリリースできたのかも知れない。自分が消費者として感じる違和感に敏感になることで、新たなビジネスモデル創出のきっかけとなる良い事例であろう。