株式会社アストロスケールホールディングス代表取締役社長、岡田光信が「宇宙ゴミ問題解決」に至るまでの道のり

岡田光信の生い立ち

岡田光信は1973年に兵庫県で生まれました。東京大学農学部を卒業した後、アメリカのインディアナ州にあるパデュー大学にてMBA(経営学修士)の資格を取得し、帰国後は大蔵省(現在は財務省)の主計局に入局。その後マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、経営コンサルティングに従事しました。同社でコンサルティングを行っているうちに、自ら経営を行いたいという思いからその後10年間にわたって、日本中国、インド、シンガポールを拠点にIT業界にて経営者として活躍。2013年にはシンガポールを拠点にastroscaleを設立し、2年後の2015年にアストロスケールとして日本法人を設立しました。

岡田光信がアストロスケールを立ち上げるまで

岡田光信が初めて宇宙と関わったのは高校1年でNASAのベースキャンプに参加し、毛利衛宇宙飛行士から「宇宙は君たちの活躍するところ」という手書きメッセージを貰った時でした。独立後は数々の事業を立ち上げてきた岡田光信ですが、2013年の40歳を迎える節目に「俺の人生はこれでいいのか」と考え、かつてからの夢である宇宙ビジネスに進出することを決心。岡田光信が当時から頻繁に参加していた、宇宙の学会で、宇宙ゴミ問題解決の担い手がいないということに気づき、この事業を立ち上げました。起業と同時に岡田光信が決意したのが「誰にも言い訳しない」ということ。宇宙ゴミの除去というビジネスは今までになく非常に理解されにくいものだったため、会社立ち上げにあたって、営業先の企業はもちろん、頭の固い政府に対しても決して他人のせいにしないという決意が必要だったのです。

岡田光信が目指す今後の宇宙環境と社会との関係性

アストロスケールが目指すのは宇宙空間のごみを除去し、安全な衛星軌道を確保。これによって衛星が安定することで、通信・気象・位置情報などの社会インフラの整った便利な生活が保障されるのです。通信技術が急速に発展し、以前と比べて宇宙空間に放置される「宇宙ゴミ」は確実に増えています。この宇宙ゴミ問題は深刻で、微生物が分解せず、半永久的に弾丸のようなスピードで宇宙空間を飛び続けるため、この先の宇宙空間の利用の障壁になることは間違いありません。岡田光信はこの誰も手をつけてこなかった問題の解決に真っ先に乗り出しました。今後、宇宙に関する産業は国、企業、NASA、JAXAの誰も手を付けてこなかった新しい領域で発展していくのかもしれません。