「快適で豊かな住宅環境」を目指して

「快適で豊かな住宅環境」を目指して

リフォーム工事事業者向けの通信販売事業を展開するマツ六株式会社は、大阪市に本社があります。同社は創業が大正10年の老舗で、その代表取締役社長が松本將氏です。松本氏は、1960年生まれで、慶応大学大学院卒後、シャープ(株)を経て、マツ六(株)に入社し、現在に至っています。
建築金物専門商社である同社は、バブル崩壊までは新築住宅着工に支えらえれ、順調に業績を伸ばしていました。バブル崩壊後は新築住宅着工件数が激減し業績は急激に悪化しましたが事業を集約し乗り越えました。
1990年代後半、松本氏はリフォームと高齢化社会という新たな需要が注目し、住宅用手すりなどのバリアフリー建材に着目しました。しかし、高齢者を対象とするバリアフリー建材が商品としてありませんでした。このため、バリアフリー建材の住宅用手すりやスロープなどを自社で製造するとともに、カタログ販売を開始しました。

介護リフォームの特性

当時の建築需要はバブル期ほどではありませんが、ある程度の新築住宅着工需要があっため、単価が低く小さな工事の介護リフォーム用建材は受け付けられませんでした。
ところが、介護保険制度が施行されたことにより、「手すりの取り付け」や「床段差の解消」など同制度で指定された5項目に(株)マツ六のカタログに用意されていたため、急激に需要が発生しました。
介護対象リフォームは小さな工事であるため、一回の工事で必要となる金物部品が少量ですが、金物店ではばら売りされていませんでした。マツ六(株)では、事前にこの問題を察知し、建築委金物にはなかった販売方式の「ファーストリフォーム」を立ち上げました。
ファーストリフォームは、工事業者専用の販売方式です。その方式は、地域の金物店が代理店となりカタログをリフォームを施工する業者に配布し、業者が施工に必要な金物などを注文し、ファーストリフォームは受注した商品を1個単位で工事現場を含む指定場所に配送します。工事業者は代理店に支払いをし、ファーストリフォームは代理店から支払い金額を受け取るシステムです。
このシステムは大成功となりました。

協調互敬

マツ六(株)の創業理念は「協調互敬」という商売にかかわるすべての人を幸せにするという理念です。
松本社長の考案した「ファーストリフォーム」は、施工業者の煩雑な困りごとを解決し、金物店には施工業者に対応するあらたな業務を提供し、バリアフリーにするため工事を発注した人や家族に安全と便利を提供し、創業時の理念を現在に生かしています。