ラクスル株式会社代表取締役社長 松本恭攝が変えた印刷業界とインターネットの可能性

松本恭攝の生い立ち

松本恭攝は1984年富山県に生まれました。親類縁者がすべて公務員であるという環境で育ったため、子供のころから「毎日同じルーティンを繰り返す生活は無理。新しいことへの挑戦がしたい」というビジョンを持っていました。2008年に慶應義塾大学商学部を卒業し、A.T.カーニーに入社。リーマンショックの影響もあり、コスト削減のプロジェクトに従事しました。そんな業務の中で気付いたのが「印刷が一番削減できる余地の大きいコストである」ということ。それがきっかけとなり、2009年には学生時代に投資で得た資金を元手に株式会社ラクスルを立ち上げました。

停滞している印刷業界にインターネットで革新を!松本恭攝のラクスル創業のきっかけ

A.T.カーニー時代に、企業のコストを削減できる余地が大きいのは印刷ということに気づいた松本恭攝ですが、さらに日本の印刷業界の下請け構造が膨大な非効率を発生させているという点にも気づきます。実は印刷会社は日本にあるコンビニの総数よりも多く、稼働率は40%ほど。これは大手企業から中小企業へと下請けを重ねる構造が原因だったのです。これらの仕組みに気づいた松本恭攝はインターネットで印刷業界を変えようとラクスルを設立。その証拠に、設立初日から今現在まで掲げているビジョンには「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」というものがあります。ラクスルは印刷会社の価格比較サイトからスタートし、現在は従来コストのかかっていた小ロット印刷や、発注者が印刷会社に直接依頼できるインターネット上のプラットフォーム提供などを通し、無駄な下請け構造をカットすることに成功しました。

松本恭攝の考える日本の企業を変えるインターネットの可能性

松本恭攝はラクスルの他にも「ハコベル」という配達システムを提供しています。これはドライバーの空き時間を有効活用するシステムで、インターネットを通してドライバーの時間にアクセス。このシステムによって、無駄な空き時間を省いた効率的な配達業務が可能となるのです。松本恭攝は印刷業界や配達業界だけでなく、インターネットの参入で業界の非効率的な構造を改革できる業界がほかにも多数存在すると言います。最終的な目標として「日本だけでなく、世界の産業のトランスフォーメーションに貢献したい」という目標を掲げる松本恭攝。松本恭攝の手がけるインターネットの力で、既存業界が次々と変革を遂げる未来が近いうちに訪れるのでしょうか。