食べる「力」は生きる力

彩りも見た目もおいしい嚥下食を

高齢化などで食事を飲み込む力が弱った人のため、彩りも見た目もおいしい嚥下食を開発した株式会社ウェルビーフードシステムの代表取締役が古谷博義氏です。古谷氏は大学卒業後、食品商社を経て1982年に(株)ウェルビーフードシステムを大学卒業後、食品商社を経て1982年に(株)ウェルビーフードシステムを設立し現在に至っています。同社は社員食堂を受託運営するコントラクトフード事業に1983年に参入し、2000年からは介護食を扱う介護老人保健施設を受託しました。
高齢者施設や障害者施設には咀嚼機能(噛む力)や、嚥下機能(飲み込む力)が弱に、刻み食やペースト食と呼ばれる介護食を提供します。刻み食は5mm~1cm位に細かく包丁等で刻んだ食事です。ペースト食は肉や野菜などを細かくすりつぶした食事です。
ミキサーですりつぶしたペースト食などの介護食は、見た目がドロドロで彩りがなく食欲がわきません。また、嚥下能力が低いと本来なら食道から胃へと送られるものが誤って気管に入ってしまう誤嚥性肺炎の起こす可能性があります。
古谷氏は介護食の難点をを解消するためソフト食を開発しました。試験的に導入した施設では喫食率が大幅に向上し、本格導入に弾みがつきました。

食欲をそそる元気食

(株)ウェルビーフードシステムの介護食は、彩りが良く味も普通食に近くなり、通常の食器に盛り付けられるため、見た目は普通食と見紛うばかりです。そして、ゼラチンなどを原料とするとろみ剤を使用しているため粘度があり、ペースト食の難点である誤嚥性肺炎のリスクを回避しています。
ソフト食の開発は続けられており、従来不可能といわれていた握りずしのソフト食を提供し多くの人に好評です。
同社のソフト食は食欲をそそる元気食として喜ばれ、生きるための食べる力を引き出しています。

食を通して社会に貢献する

(株)ウェルビーフードシステムは緊急時の対応にも心を留意しており、受注施設で何らかのトラブルがあって施設内調理ができないときは清水市内に2か所あるセントラルキッチンから調理済の食事を届けるシステムとなっています。また、大規模災害時には同社の所在する静岡県外からの応援体制を構築しています。
同社は「食を通して社会に貢献する」という理念を持ち、緊急時であっても確実に食事を届ける準備をしています。生きる力である普通食、介護食だけではなくカロリー食や医療食など多彩なメニューを提供し続けています。