株式会社nanapi元代表取締役社長、古川健介が漫画事業で目指す「ラストもう一周」とは

古川健介の生い立ち

古川健介は1981年に生まれました。16歳のころ、当時急発展を遂げていたインターネットに初めて触れ、インターネットの世界中のどのサイトにも自由に行ける体験の凄さに大きな感動を得たと言います。2000年の早稲田大学浪人時には大学受験情報の匿名掲示板「ミルクカフェ」を開設。その後、月間1000万PVの大手サイトに成長させました。2004年の早稲田大学在学時には、2ちゃんねるの管理者である西村敏之の推薦で掲示板「したらば」を運営するメディアクリップの社長に就任。しかし2005年、ライブドアの就職面接で唐突に持ち掛けられた「したらば」の売却交渉に同意し、ライブドアにしたらばを売却。古川健介自身もライブドアで1年間働きました。大学卒業後の2006年にはインターネット事業に携わりたいという想いからリクルートに入社。同社在籍中に立ち上げたのがnanapiの元である「ロケットスタート」です。2年後の2009年にはリクルートを退社し、ハウツーサイトであるnanapiをリリースしました。現在はnanapiをKDDIに売却し、古川健介は2019年から漫画サービス「アル」という新規事業をスタートしています。

古川健介が本当に生み出したかったnanapiの価値とは

ハウツーサイトとして2012年には月間1000万PVを達成したnanapiですが、古川健介は未だに満足感を感じていません。PVのほとんどがTwitterやGoogle検索から流れてきたものであり、「nanapiを使っている」というはっきりしたインパクトがないというのです。リクルート在籍時代から、大手企業が手を付けていない一点にリソースを集中するという戦略を立ててきた古川健介。nanapiは新しいサービスとしては成功したものの、古川健介が望んでいた「いきなりなくなったら困る」ような価値のあるものを創造するということは満たすことができませんでした。

漫画サービス「アル」に賭ける古川健介の人生と「アル」の目標

2019年から新たに漫画サービスの「アル」をスタートした古川健介。古川健介はこのアルは自分の人生のラスト一周になると語っており、短期的な目標として「漫画がたくさん売れること」。長期的な目標としては「漫画業界がきちんと潤って、面白い漫画がたくさん生み出され続ける仕組みを作り出す」ことを掲げています。日本の漫画市場の減少に立ち向かうべく始めたアル。アルではマンガを作る人、届ける人、みんなが世界中で漫画を楽しめるサービスを提供しています。