スマートニュース株式会社代表取締役社長、鈴木健の目指すなめらかな社会の意味とは

鈴木健の経歴

鈴木健は1975年に生まれました。1998年に慶應義塾大学理工学部物理学科を卒業し、2008年には東京大学大学院総合研究科広域科学専攻広域システム系博士課程を修了。PICSYという、価値が人から人へ伝播性していく新しい性質をもった伝播投資貨幣が未踏ソフトウェア創造事業に採択され、天才プログラマーに認定されています。在学中の2006年にはソフトウェアのサービスを提供する株式会社サルガッソーを設立。そして2012年に当時コグロとしてスマートニュース株式会社を設立しました。

スマートニュース設立のきっかけとアメリカからの意外なニーズ

スマートニュースの原点は2011年にスタートした「Crowsnest」というサービスでした。ウェブベースのパーソナライズドニュースリーダーで自分が気になるニュースを分析して、表示されるという画期的なシステムです。鈴木健は共同創業者とともにアメリカの展覧会にCrowsnestを出展。しかし反応は乏しく、このやり方では上手くいかないと、アプリでの総合ニュースサービスの展開に切り替えたのです。スマートニュースは電波のない地下でも快適に読めるというシステムにより、大ヒット。2014年からはSmartNews米国版のリリースに向けて活動を開始しています。実は米国では新聞やテレビなどよりもフェイスブックでニュースを見る状況が社会問題とされていて、特に選挙時はニュースを見る人によって情報に偏りがあるという大きな課題を抱えていました。そんな中でスマートニュースは大統領選挙前の2016年からリベラル、保守、両方のバランスをとったニュースを表示するアルゴリズムでスマートニュースを発表。現在アメリカでは、こういったニュースアプリへの注目が高まっています。

鈴木健が目指す「世界を滑らかにする」とはどういう意味なのか

鈴木健は今後「世界を滑らかにしたい」という目標をもってスマートニュースのサービス拡大に努めていく予定です。これには情報に偏りを無くす、という広い意味があって、例えば従来のパーソナライズされたサービスでは自分の興味・関心に沿ったニュースしか表示されず、持っている情報に偏りが発生してしまいます。そこで鈴木健は「パーソナライズド・ディスカバリー」として、パーソナライズシステムを維持しながら、どんどん視野を狭めていくのではなく、見ている人の視点や興味を広げるということをコンセプトに開発を進めています。さらにグローバル展開に向けて、どんな言語でも読める仕組みを開発しているそうです。