チームラボ株式会社代表取締役社長、猪子寿之が望む「価値観の誇張」とは

猪子寿之の経歴

猪子寿之は1977年徳島県徳島市で生まれました。幼いころからアートとサイエンスに興味がありましたが、近くに美術館がなかったため、本でアートに触れ合う日々を送っていました。猪子寿之はこの頃からアートに関しては「これ何だろう」という、よくわからないけど好きという感情があったと言います。1996年に徳島県立城東高等学校を卒業し、搭乗大学教養学部理科1類に進学。翌年にアメリカに留学し、帰国後は同大学の工学部王由生物理・計数工学科に進学しました。在学中に同級生らとともにチームラボを立ち上げました。2000年には有限会社としてチームラボの再スタートをきって、その後、2002年にチームラボ株式会社に組織変更しました。猪子寿之は向上心が非常に高く、チームラボの代表という役割を背負う傍ら、自らも様々なものの開発に勤しみ、2006年には検索エンジン「サグール」や、産経新聞のニュース・ブログポータルサイトを開発し、2008年にWebクリエーション・アワードでWeb新人賞を獲得するなど、日々新しいものへの追及を怠りません。

猪子寿之がチームラボを立ち上げた理由とは

実は、チームラボ設立の背景には、友達と一緒にいたい、青春を終わらせたくないという理由のほか、アートに対する「これ何だろう」が少しでも真理に近づけば良いなという猪子寿之自身の願いもありました。猪子寿之は人間が花という、異性ではない生物の繁殖活動には関係のない対象に「美しさ」を見出していることを非常に疑問に思っていおり、この「美の概念の拡張」が、花を含めた自然を守りたいという意識に繋がり、結果として今現在まで人類が生き残ったのではないかと考えています。このようにアートや美、芸術には「何なんだろう」というものが多く存在し、その何なんだろうを追求するためにチームラボができたのです。

猪子寿之が望む「価値観の拡張」

日本国内のみならず海外でも多くの評価を受けているチームラボですが、チームラボは一体何を目指しているのでしょうか。チームラボが目指しているものの一つに「価値観の拡張」という目標があります。これは「物質として存在するかどうかはその物の価値には関係がない」という価値観を広めたいという想いから。チームラボは制作した作品をハードディスクで渡すのですが、これに対して最初は抵抗を感じたとしても、結果としてこのハードディスクの中身によって、感動が生み出されることを理解してもらいたいのだとか。これからチームラボがすでに私たちの中にある固定概念を大きく変えるきっかけとなることは間違いないでしょう。