株式会社木の里工房木薫 代表取締役社長 國里哲也 「森から子どもの笑顔まで」

「森から子どもの笑顔まで」

西粟倉村(にしあわくらそん)は、岡山県の最北東端にある村で、森林への集中投資を起点に、自然資本の増強と雇用の創出を目指す「百年の森林構想」を掲げています。
株式会社木の里工房木薫(もっくん)は、木材に価値を付ける同村のベンチャー第1号として誕生しました。同社の社長が國里哲也氏です。
國里氏は、西粟倉村に生まれ、大阪市で就職後、1995年21歳で村にUターンし、森林組合を経て、2006年同社を起ち上げました。
同社は、育林・伐採から製造販売までを一貫して行う森林ビジネスを展開しています。

木薫の理念「「森から子どもの笑顔まで」

同社の理念は、無垢の木の手触りやぬくもり、薫りなどのホンモノの木に接する体験を届け、木や森林に携わる仕事をしたい人を増やして、美しい山林を子どもたちの笑顔とともに未来へ受け継いでいくことを目指しています。

付加価値をつけるオーダーメイド

国産木材は以前から安い輸入木材におされ、収益がほとんどない状態でした。林業は、良好な木材を得るため間伐が必要ですが、国産材の値下がりにより収益がほとんどない有様でした。原木を売るだけでは利益は残らず、山の手入れをする間伐もおろそかになっていました。
国里氏は、このまま放置すれば、故郷の山が荒廃し林業も長く持たないのではないかと危惧するようになりました。その打開策として考えついたのが、間伐材を家具などの製品に加工し、木材に付加価値を与えて販売することです。
(株)木の里工房木薫では、木製品の素材である間伐材を購入するため、自社で間伐のための森林整備を行っています。購入した間伐材は、自社工場でオーダーメイドの家具、遊具になり、保育園に直売していきます。
購入した間伐材はユーザーの保育園で要望をヒアリングしながら、使いやすさと安全性を考慮した設計の家具や遊具をつくり、メンテナンスにも留意しています。。
(株)木の里工房木薫では、自社工場で作った高品質の製品を市場価格よりも安価で提供するとともに、通常なら製材、問屋、仲買、木材加工などで生じる膨大な流通コストを直売で流通コストをさげることで収益を確保しています。

子どもたちにホンモノの木製品を届ける

(株)木の里工房木薫は、山を守るために切り出した無垢材を使ったホンモノの木製品を都会の子供たちに届け続けています。
国里氏は、良質な木製品を提供することでホンモノの森と今の子どもたちを繋いくいくことを目指し続けています。