吉田博一の経歴
吉田博一は1937年東京都に生まれました。1961年に慶應義塾大学法学部を卒業し、同年に株式会社住友銀行に入行。その後は20代~30代で営業職、40代では管理職と順調に出世を繰り返し、1996年には同行の副頭取に就任しました。翌年は三井住友ファイナンス&リース株式会社の取締役社長に就任、2001年には同社の代表取締役会長兼社長に。吉田博一はこうした銀行での業務に従事したほか、2003年には慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の教授に就任するなど、大学での教育にも参加しました。そして吉田博一が69歳を迎えた2006年。20代、30代の人間+吉田博一の計4人でエリーパワー株式会社を設立しました。今では有望なベンチャー企業と称されるエリーパワーですが、設立当時は出資者を集うために4人で営業を行わなければなりませんでした。長年にわたってメガバンクのトップを務めてきた吉田博一は、そこで人に頭が下げられなくなった自分に気づき、思考回路を変えるのに苦労したと言います。20代、30代のころは優秀な営業マンだった吉田博一。最終的には預金や貸し出しの営業と変わらないと思えるまで余裕ができました。
吉田博一が感じたリチウムイオン電池へのビジネスの可能性とは
エリーパワー株式会社を設立した当初、リチウムイオン電池は価格が高く、従来の電池に比べて安全性にも乏しいとされていました。しかし、電気自動車普及のためにはリチウムイオン電池の量産化による価格低下が欠かせません。そこで吉田博一はリチウムイオン電池の需要拡大と、それに伴うビジネスの可能性を感じました。さらに吉田博一自身がリチウムイオン電池の生産に関わることで、普及を促進させることができるのではないかと考えたのです。こうして前々から何か社会の役に立つことをしたいと思っていた吉田博一は、69歳という年齢でエリーパワーを創業し、リチウムイオン電池の普及と新製品の開発に努めています。
エリーパワー株式会社が目指すリチウムイオン電池の普及
エリーパワーは安全性を第一に考えてリチウムイオン電池の開発を行っています。そのため2025年までには電解液に不燃性のイオン液体を使った電池の開発を目指しており、これによってさらに電池の安全性が増す見込みです。また、吉田博一はリチウムイオン電池の普及によって、地球環境問題の解決、無駄を省く省エネルギー化、安定した電力供給を目指し、今までのエネルギー産業に代わって、新しいリチウムイオン電池というエネルギーの普及に努めていく予定です。