日本にはどれだけの解体業者があるのか、皆さんはご存じでしょうか。実は令和元年の調査で、4万3000の業者が解体工事業の許可を受けていることが明らかになっています。それだけの業者が解体工事を請け負っているわけですから、この中には優秀な解体業者もあれば、悪質な解体業者も存在します。いかに優秀な解体業者を見つけるか、そして、悪質な解体業者を避けていくか、ここがポイントになっていきます。解体工事を請け負っている、上村組の社長上村憲司さんは、いくつかのモットーを掲げ、誠意を持った解体工事を行っていることをアピールしています。
騒音に配慮をする解体業者か
1つ目のポイントは、騒音に配慮を行う解体業者かどうかです。上村組では、騒音に配慮をするため、手作業での作業を行っています。重機を入れることで騒音が発生しやすく、たとえ仕方ないことだと思っていても、抗議の1つや2つは入ってくるものです。これを避けるため、工事が始まる前から周辺に声掛けを行い、騒音をできるだけ発生させないようにしていくことで誠意が伝わりやすく、少々無理なお願いを周辺にする場合でも話が通りやすくなるというわけです。
悪徳業者の場合、そのことをほとんど認識していない、もしくはあまり考えていない業者が非常に目立ちます。そもそもコストを最大限かけずに利益を最大限追い求める傾向にあるのが悪徳業者ですから、騒音に対する配慮を行おうという気持ちはサラサラありません。できるだけ手間暇をかけたくないのが悪徳業者の考え方で、上村組の上村憲司さんのように手作業で少しでも騒音を出さないようにする配慮はおそらくないでしょう。この部分が優良な業者か悪徳業者かを分ける部分でしょう。
自社で解体工事を行う業者か
2つ目のポイントは、自分の会社で解体工事を行う業者であるかどうかです。普通、契約をした会社が解体工事を行うものだと誰もが思います。しかし、業者の中には自分たちでは施工せず、下請けの業者に任せるケースがあります。4万の業者が解体工事の許可を得ているわけですが、中には仕事の受注がとれずに苦戦するケースがあり、先輩などから工事を回してくれることもあるでしょう。これがいわゆる下請けというものです。上村組では、市庁舎の解体工事や橋の撤去工事など公共的な建物の工事を引き受けているほか、民間の家屋だけで1年間で300件も引き受けています。
従業員の数もそれだけ多く、複数の現場を回すことで多くの件数をこなしていくことができます。これが数人程度でやっている業者だと複数の現場を回すことは物理的に不可能です。それでも業績拡大のために複数の工事を引き受け、それを周囲の仲間に振り分けていくことはあるでしょう。そのような行為をする業者が本当に優秀で優良な業者と言えるのかとなれば、断言しにくいのが実情ではないでしょうか。
明朗会計かどうか
最後にポイントとして挙げられるのは、明朗会計かどうかです。この場合の明朗会計とは、見積書や契約書が正しく記載され、費用も不当に追加されることなく支払えるかです。見積書で提示される費用と実際に支払う費用が食い違うこと自体は存在します。これは見積書が提示されるのが現地調査をする前で、現地調査をしてから改めて金額が変わることもあります。上村組の場合では最初に現地調査を行い、その後で見積書を提出します。追加で発生する可能性が極力少なくなります。
追加費用が発生した場合、なぜ追加費用が発生するのかの説明が妥当なものかどうかがポイントになっていきます。解体工事の中で予期せぬ出来事が起こるものです。建物の持ち主ですら知らなかったものが地下から出てきてこの処理に追われることもあります。どんな時に追加費用が発生するのかの説明を事前に受けているかどうかもポイントです。上村憲司さんはそのあたりを含めて「適正工期・適正価格」を示しています。
まとめ
解体工事を依頼する際、騒音の件と費用の件、この2つが大きな懸念点になりやすく、逆にこの2つで優良企業か悪徳企業かの見極めが行えます。注意したいのが、費用は安ければ安いほど優良というわけではない点です。実は騒音と費用、2つそれぞれ関連性があり、騒音に対する配慮ができて費用面で相場内に入っていれば少なくとも悪徳業者とは言えないでしょう。
4万以上もある解体業、今後どんどん増えることが予想され、解体という仕事自体も老朽化された建物が増え始め、建て替えを余儀なくされれば需要が増えるので、ここが商機とばかりに、知識や経験に乏しい人たちが乗り出してくる可能性すらあります。ここから先は、解体業者の見極めも必要ですが、上村組の上村憲司さんのようにしっかりとした考えを持つ業者が多いことも覚えておきたいところです。