水谷将典株式会社Green社長 0か100かを徹底するのが大事

千葉県で飲食店を展開する株式会社Greenの代表取締役社長水谷将典さん。飲食店ということもあって、お酒の存在は非常に大きく、お酒なしで営業を行うのは非常に厳しいくらい重要な存在です。とはいえ、お酒をどこまで用意するべきかは飲食店にとって永遠の課題です。水谷将典さんも中途半端に用意してしまい、お客さんに怒られたことも。どこまで用意すればいいのか、様々な飲食店に足を運んではお酒のラインナップの状況をチェックすると語ります。

最終的に至った結論は0か100か

お酒はどこまで用意するべきか、その考えを巡らせる中で水谷将典さんが至った結論は0か100かを目指すというものです。要するにお酒を全く置かないか、用意するならとことん用意するかのいずれか。お酒がないと分かっていれば子供でも安心して入ることができるでしょうし、お酒を完璧に取り揃えていればお酒が大好きな人も納得してもらえる割合が高いです。0か100か、そのどちらを目指せるだろうかと水谷将典さんは考えました。

すると、より0を目指した方がコストパフォーマンス的に良さそうだという考えに至ったそうです。当然飲食店なのでお酒を全く置かないのは非現実的であり、実現の可能性は低いでしょう。しかし、100を目指すといっても大量のお酒を用意するだけの場所もなく、長い間注文のないお酒もあるはずで、こちらも非実現的。それならば0を目指す方が実現の可能性は高いと水谷将典さんは考えたのです。

お酒の種類をできるだけ絞り込む

0を目指すということは、お酒のラインナップを限りなく絞り込むということであり、日本酒やハイボール、ビールなどに絞り込んでいきます。すると絞り込んだ分、管理もしやすくなり、おおよその計算もしやすくなりました。もちろんラインナップのなさにクレームをつけるケースもありますが、大多数の人はクレームをつけず、数少ない中から選んでくれます。大事なのは食べ物のクオリティ、それに見合うお酒なので、お酒にこだわるなら食べ物にこだわればいいというのが水谷将典さんの考えです。

水谷将典さんはせんべろ、1000円でベロベロに酔えるお店によく足を運んでいますが、そこが人気なのは安く酔えるから。それでいて料理がおいしいことがポイントになっています。つまり、酒に値段を求めておらず、むしろ安ければ安いほど喜ばれるのです。これを知ると、お酒の種類はできるだけ少なくしてなるべくお酒の値段を安くした方が喜ばれるのではないかと考えるようになります。

店内の掲示物もベタベタ貼らない

水谷将典さんのこだわりは、店内の様子を見ても分かります。飲食店によっては、メニューを壁にズラッと並べているケースがありますが、水谷将典さんのお店ではそのようなことはしていません。これも0か100かを徹底した結果です。水谷将典さん曰く、張り紙を店内に貼り出すのもセンスが問われると言います。センスがよく、完璧に運用できるのであればバンバン張り出してもいいと考えているからです。

自らをナンセンスと笑う水谷将典さんは、センスよく貼りだすことができないため、それならばできるだけ張り紙は貼らないようにしてメニューに置き換えるのがいいのではないかと考えました。そして、メニューに関してもできるだけ1冊に統一し、たとえ分厚くても、1冊にまとめておくのがスッキリし、効率的だと考えます。これも試行錯誤の上にそのようになっており、今後変えていくこともあるかもしれないと語ります。

メニューを多く貼りだすことで、たくさんのメニューがあることを示唆する形になっており、それ自体の効果は大きいと水谷将典さんも認めていますが、ケアが足りないと少しウソっぽさも出てきてしまうと感じており、結果的にメニューにまとめ、そのメニューも必要なものだけを作れるような形になっているのです。

何もやらないのも勇気がいる

0か100か、これを目指すこと自体は誰でもできます。0を目指すことは誰でもできそうなイメージを持ちますが、実は非常に難しいです。シンプルイズベストは、シンプルのすばらしさをしっかりと知った人でないと理解できないからです。それがわからないとついつい変化を求め、余計なことをやりがちです。ここを理解するのに時間がかかり、水谷将典さんも最初は余計なことを色々やっていたと言います。

たくさん無駄なことをやり、それからどんどん削ぎ落してシンプルを目指す、できる人は100を目指せばいい、この考え方で水谷将典さんの会社も軌道に乗り始めました。