川尻征司HappyDay社長 お金のために働くのは悪いことではない

人材を育成するのはとても大変なことであり、それぞれが独りよがりな姿勢を見せることでそれぞれの気持ちが離れていき、離職につながってしまいます。お互いが信頼関係を抱けるようにするには、それぞれが何を求めているかを面接の時点でつかんでおく必要があります。それがお金なのか、働きがいなのか、はたまたスキルなのか、この違いはだいぶ大きいでしょう。

人材コンサルティングの会社を経営する川尻征司さんはいかに面接の時点で双方が求めるものを見つけ出すかに注目しています。これがわかれば離職率を下げることができるからです。

■お金だけを求める労働者は本当に悪なのか

なぜ仕事をするのかと問いかけた時、生活の為と答える人がほとんどではないでしょうか。いわばお金を稼ぐために仕事を行う、これが根本的なスタイルです。しかし、お金ありきで仕事をするという考えは本質でありながらもあまり堂々と言うべきことではないのではないかと考えがちです。そこで多くの人は本心を隠しながらお金以外の理由を見繕いがちです。実はここにミスマッチの要因が隠されています。

決してお金ではなくやりがいがありそうだとか、会社の成長を感じるのでお手伝いしたいなど色々な理由をつけますが、本当にやりがいのみを求めているのか、会社の成長をサポートしたいだけなのか、そこを突き詰めていくと結局お金が浮かび上がります。お金さえもらえればそれでいいという考え方は本当に悪なのか、川尻征司さんは決して悪ではなく、むしろあるべき姿ではないかと考えます。

■年収が労働者にとっての評価

例えばプロ野球選手の場合、契約交渉において少しでも年俸を上げてくれと球団側に願い出ます。ファンから見れば、とてもせこく感じるとともにお金のためにやっているのかと嫌な気持ちになるでしょう。しかし、プロ野球選手からすれば年俸はその選手にとっての評価そのものです。これだけ多くの年俸をもらったという事実は間違いなくプロ野球選手にとってのステータスになり、多くの人が野球選手という職業に夢を持つはずです。

労働者にとって年収そのものが評価になります。稼げば稼ぐほど労働者としての価値は高く、周囲から羨望のまなざしで見られます。評価が高いのに年収が低いケースはあれど、評価は低いのに年収が高いケースは少なくとも会社員では存在しません。過去に年収に見合うだけの結果を出している人が、翌年たまたま結果を出せなかったケースはあるでしょうが、常に評価が低い人が高年収である可能性はほぼゼロです。年収が高い=評価が高いという構図は成り立ちやすいでしょう。

最近は春闘など労働条件を争うこと自体が嫌われる傾向にあり、労働組合という存在そのものに嫌気を差す人も増えてきています。ゴネてお金をもらおうとすると思っているからかもしれません。しかし、年収=評価と考えた時、評価されることを自分から放棄しているのは本当に美学として正しいのかどうか。川尻征司さんは主張すべきところは主張すべきだろうと考えます。会社側が自発的に給料を上げてくれるのを待つスタンスは、ビジネスマンとしてあるべき姿ではないと断罪します。

■趣味のために頑張る人はそう簡単にやめない

川尻征司さんの友だちに、趣味の競馬のために仕事をやっている人がいます。もちろん借金があるため、それを返済するためではなく、昔から競馬が好きで自由に遊びたいから頑張っている人です。人生のために頑張る、家族のために頑張るという気持ちはほとんどなく、競馬の資金のために頑張ると決めています。こういう人は会社に嫌気が差しても辞めれば競馬ができなくなるので、嫌々でも続けようとします。川尻征司さんはそのスタンスにこそヒントが隠れているのではないかと考えます。

プロの仕事に徹するのはお金を多く得るためであり、将来どんなスキルを磨こうとかどんな人間になりたいか、そこまでは考えません。では、どんなスキルを磨こうかと考えた時、どこまでその通りの人生を過ごせるかは不透明です。しかし、求められていることに全力で応えることはどのステージでもできることです。そこを理解しているかどうか、これが大きいと川尻征司さんは考えます。

■まとめ

金の切れ目が縁の切れ目ということわざがあるように、結局お金の存在が非常に重要です。それは全く悪いことではなく、むしろ当然です。そしてお金を得るためにプロに徹すれば会社も文句は言わないでしょう。何も難しいことではなく、あとは納得させるだけのスキルやマインドを有しているかどうか、川尻征司さんはここらへんにポイントがあると考えています。