株式会社ビースポーク綱川明美

海外旅行をする際に、現地の宿泊施設や空港などで言葉が話せず、相手に意図が伝わらずに苦労した経験を持つ人が多いでしょう。その際に何を言っているかを聞き取って、翻訳できる機械があればそれに越したことはありません。そのような人々にとってとても役に立つ機械があります。それがBebotです。成田空港や東京駅などでも導入され、英語や中国語などの質問に対応するスグレモノです。そんなBebotを開発する、株式会社ビースポークの代表取締役社長が綱川明美さんです。

転んでもタダでは起きない

綱川明美さんは1987年1月20日生まれで、現在34歳です。アメリカに渡米し、UCLAを卒業後、日本に帰国。しかし、リーマンショックの影響で就職が困難な時期であり、希望していた投資銀行で新卒採用は行われていませんでした。しかし、どうしても投資銀行で働きたいとテレアポを重ねて糸口をつかもうとし、結果的に新卒採用をしていなかった投資銀行への就職が決まります。OL時代は株の運用を行ったり、起業支援など様々な活動を行ってきた綱川明美さん。バイタリティにあふれ、少々のことではへこたれない精神力を感じさせます。Bebotの開発もまたその経験が生きているのかもしれません。

きっかけは東日本大震災

Bebotを作るきっかけとなったのは2011年の東日本大震災でした。20階で仕事をしていた綱川明美さんも被災し、あまりの揺れに恐怖を感じる一方、外国人たちは何が起こっているのか一切分からず、情報収集もままならなかったのだとか。もし情報をしっかりと収集できていれば過度に恐怖を抱くことはなかったのではないかと考え、事業を始めるきっかけとなります。また綱川明美さんは旅行が大好きで、1人で海外旅行をしてきたことも、今の会社を起業するきっかけになったとか。

社会的インフラになりつつある

Bebotはもはや旅行者にとってなくてはならないツールではなく、日本に住む外国人すべてにとって役に立つ社会的なインフラ的な要素を持ち合わせるようになっています。自治体や鉄道、空港などが導入し、それぞれの場所にアジャストした内容にしており、利便性を高めているところです。綱川明美さんは現状日本だけのサービスとなっているので、アメリカなど全世界で使えるようにするのが夢と語ります。アメリカに現地法人を立てるなど、その夢、野望は着実に実現しようとしています。